2025年1月20日 PJコラム 

【コラム】高収益をはじく生協のリサイクル施設

PJコラム

 会社と自宅のどちらにも近くに生協があるので、食料品や飲料のほとんどは生協で購入している。また妻も母も週1回の宅配による定期購入を申し込んでおり、毎週紙のカタログが届く。このカタログを見ながら買いたいものを決めるのが結構楽しいらしい。特に母は2年前に免許を返納したので、生協の宅配便はとても便利で重宝しているという。

 ▼先日、生協のリサイクル施設を取材したので、改めて生協のことについて調べてみた。生協は、生活協同組合の略称で、数ある協同組合の1つ。消費者一人ひとりが出資金を出して組合員となり、協同で運営・利用する組織である。日本生協連は、全国各地の生協の連合会という位置付けで1951年に設立。現在は全国各地の生協が加入しており、組合員総数は約3000万人、総事業額は約3.7兆円に上っている。そのうち宅配事業が約2兆円で全体の6割ほどを占めている。

 ▼全国各地で生協がリサイクル施設も自前で運営している。2004年にパルシステム東京のリサイクルセンターの開設を皮切りに、現在ではカタログ類の古紙や廃プラをメインに資源化する施設が計17カ所、段ボール等だけをプレスするヤードを含めると計30カ所ほどを数える。当初は構内作業を古紙問屋に委託する等、完全な自前ではなかったが、徐々に運営形態が変化していった。現在の主な特徴は、①特例子会社を設立して障がい者を雇用し、選別作業を任せる、②資源化する品種と作業を限定、③資源物は全て入札によって売払い、④過剰なほどの安全対策を施す―等が挙げられる。ある生協のリサイクル施設は、年間売上が5億円で必要経費は約9000万円に留まり、利益率は80%を超えているという。

週間アクセスランキング

PJコラム »

プラスチック関連情報メディアのプラジャーナルでは購読者受付中です。古紙ジャーナルとの併読割引もございます。
Top