第2期トランプ政権が始動した。20日の就任演説で「(石油・ガスを)掘って、掘って、掘りまくれ」と煽り、「グリーン・ニューディールに終止符」を打つことも宣言した。同日、パリ協定からの離脱にも署名し(発効は早くても2026年1月以降)、環境政策の方針を大きく転換した。今後、世界のプラスチック関連産業に与える影響は3つある。①石化製品・ナフサの供給増に伴う市況変動、②リサイクルを含めた企業への環境規制の後退、③関税引き上げによるプラスチック製品などのサプライチェーン再編である。
▼見過ごせないのは、環境配慮政策を撤回する流れである。もともと欧州に比べ、米国は厳格な環境規制に後れを取っていた。だが、その差はさらに広がりそうだ。汚染防止、リサイクル、廃棄物管理といった企業の制約が抑えられることで、プラスチック製造業者や原材料や包装材として利用するコストが削減される。環境対応を後退させる動きがすでに出始めており、米コカ・コーラはPETボトルのリサイクル素材の利用率目標を引き下げた。
▼日本企業は米国の影響を受けやすいが、取り組んできた環境対応の手綱を緩めるべきではない。すでに重要な経営指標として組み込まれており、環境対応での後退は消費者や従業員、株主の信頼を失いかねない。また、中長期的な視点に立てば、一時的なコスト負担を考慮しても、将来的な競争力に繋がっていく。これまでの環境配慮の取り組みを粛々と持続させる、そんな揺るぎない日本企業の意思を示してもらいたい。
2025年02月03日【日本プラスチック有効利用組合平野二十四理事長インタビュー】独自の複合再生技術と再生プラスチック製品を普及、プラ循環を導いた業界団体の新たな課題とは?
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2025年01月27日【三井化学】廃プラ分解油をクラッカー投入、ケミカルリサイクル先行カーボンニュートラル構想を掲げ、原料転換を推進中
2025年01月14日【プラニック】 ヴェオリアが昨年12月に撤退し、豊田通商が株式承継本格稼働からわずか2年、採算や品質改善でもハードル
2024年09月09日【2024年度下期 PETボトル入札結果】上期より35円上昇し、落札単価-84.5円/kgに協栄産業グループが巻き返し、東西格差薄まる
2025年01月27日 コラム
第2期トランプ政権が始動した。20日の就任演説で「(石油・ガスを)掘って、掘って、掘りまくれ」と煽り、「グリー[...]
2025年01月20日 コラム
会社と自宅のどちらにも近くに生協があるので、食料品や飲料のほとんどは生協で購入している。また妻も母も週1回の宅[...]
2024年12月27日 コラム
米空軍のフライトジャケットに由来する MA-1 ジャケット。東京・神楽坂で3日間限定のポップアップストアで販売[...]
2024年12月23日 コラム
ひと昔前は、大手流通・小売企業が廃棄物や資源物で収益を得る発想はほとんどなかった。しかし今では、各店舗で出る資[...]