2024年12月27日 PJコラム 

【コラム】エアバッグが従業員ユニフォームに変身

PJコラム

 米空軍のフライトジャケットに由来する MA-1 ジャケット。東京・神楽坂で3日間限定のポップアップストアで販売されたその MA-1(7万7,000円)は、味のあるシワ、色味、テクスチャー、どれも独特。ふらりと立ち寄ったとおぼしき若い男性がブラック色を試着してみると、とてもよく似合う。アップサイクルブランド「COIM(コイン)」 のプロジェクトマネージャー・大木隆介さんが「生地に自動車のエアバッグを使っているんですよ」と伝えると、男性は目を丸くした。

 ▼セールスプロモーション等総合企画事業の㈱スコープ(東京都)が同ブランドを立ち上げたきっかけは、熊本地震で被災家屋を覆ったブルーシート製のバッグ。その後、資源リサイクルの鈴木商会 (北海道札幌市)から廃自動車から出るエアバッグを活用できないかとの相談を受けて、従業員のユニホームをMA-1ジャケットにする提案が採用された。命を守るエアバッグには、丈夫な生地が使われている。生地の染色、縫製、どの工程も難航したが、約1年をかけて完成。オリジナルワッペンも付けた揃いのジャケットで、従業員は自社で働く誇りを一層感じるようになったという。

 ▼COIMでは廃棄物をアップサイクルした商品を企画、販売している。MA-1ジャケットの他にはエアバッグのワークエプロン、シートベルトを使ったスツールなどもオンライン販売している。ブランドに込められたストーリーも含めて感じ入ってくれる人たちに徐々に浸透、売れている。工場端材が出るメーカーなど企業からの問い合わせが寄せられており、同社は他の廃棄物での商品の開発も行っている。

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