またもRPFが蚊帳の外に置かれた感が否めない。4月から施行されるプラ新法に則り、自治体が「容リプラ+製品プラ」を一括回収して再商品化計画を作成する場合でも、容リのリサイクル手法に準拠することになった。つまりマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルが優先で、RPFによる熱回収は緊急避難的・補完的な場合のみしか認められない。プラ新法の条文では、再商品化の手法に燃料として位置づけながらも、1/19に閣議決定された基本方針では、しっかりと再商品化計画に容リ法が適用されることが謳われた。
需要を拡大してきた固形燃料のRPFは、2010年代の福島原発事故後のバイオマスブームのときも、そして今回のカーボンニュートラルの石炭エネルギー代替の追い風を受けても、他のリサイクル手法と横並びとならなかった。今後RPFは80万トンの新規需要を見込むため、プラ新法で集める製品プラを原料利用できることが期待されたのだが。実質、容リのマテリアルリサイクルの過程では、残渣として24%がRPFに回る。そのため自治体が独自に作れる再商品化計画では、余計なコストをかけないRPF向けのスキームこそ合理的な策に思われたのだ。
業界団体である日本RPF工業会は、これまでJIS規格を取得したり、外国人研修制度の認可に動いたり、業種として地位向上を図ってきた。制度上はリサイクル手法に認められない辛酸を幾度も舐めながらも、競争力を磨き続ける逞しさに感服せずにいられない。
2022年05月16日【プラ新法動向②~東京23区の一括回収~】
港区・千代田区で一括回収先行、今年度より2区開始
コロナでプラ収集量7%増、交付金要件で検討急務に
2022年05月14日【廃プラ固形燃料】
RPFの調達価格が上昇
製紙メーカー中心に広がる
2022年05月14日【OECD世界廃プラ調査】
世界の廃プラ3億5300万㌧、うち40%が包装用
処理の半分は埋め立て、リサイクル率は15.6%に
2022年03月12日【PETボトル 22年上期入札】
遠東石塚が約4割を落札、最高値は-89円/kg
二大飲料メーカーによる代理戦争の様相も
2022年04月30日《容リプラ+製品プラの一括回収》
【渋谷区】7月から区内全域で先行開始
容リ未収集から段階的にエリア拡大【北区】
2022年05月21日 コラム
2000年代前半から持ち去り行為が社会問題として取り上げられるようになった。持ち去りとは、主に自治体が行う資源[...]
2022年05月14日 コラム
公益社団法人全国産業資源循環連合会が発行する月刊誌『INDUST』で、「サンパイ女子募集!」のお知らせに目が留[...]
2022年05月01日 コラム
東北を訪れる機会があった。現地の人と話していると、知床観光船の遭難事故はコロナ禍と地続きだという。つまりこの2[...]
2022年04月22日 コラム
夏季になる前にエアコンを買い替えようと家電量販店に行った。壁一面に展示されたエアコンの室内機は、遠目に見ればど[...]