炭素繊維が飛行機の機体に用いられるということを知ったのは、1980年代後半、航空機分野での日米のテクノナショナリズムが物議を醸した頃。軽いのに鋼鉄と比べて引っ張りに強い比強度があり、比弾性(弾性率/密度)に優れた“すごい”ものと聞いたが、髪の毛をわずかに太くしたような黒く細い繊維が、一体どのようにして飛行機に使われるのか想像もつかなかった。
炭素繊維はいま、機体の軽量化に貢献するCFRP(炭素繊維強化プラスチック)として、航空機の垂直尾翼や水平尾翼、フラップ、着陸装置ドア、圧力隔壁など多くの機体部位に使われるようになっている。その用途は自動車、産業機器、家電やスポーツ用品など民生品にも広がっている。用途が広がり、使用量が増えればリサイクルの検討が必要だ。しかしCFPRの製造過程で出る廃材や使用済みのものは、通常の焼却炉では処理できず、大部分は埋め立て処理されているそうでリサイクル技術の確立が望まれている。
CFPRにするのに使われるプラスチックは、炭素繊維の1本が切れても、その影響を広げない作用を持つ重要な役割がある。リサイクルの際には、そのプラスチックを取り除き炭素繊維のみを回収することになる。炭素繊維の物性を損なうことなくプラスチックを取り除く技術が難しいとされる。
リサイクルするには、熱分解法、液化法、物理的手法、電解酸化といった方法があるが、熱分解法が有力だという。CFPRのリサイクルでは炭素繊維が主役ではあるが、取り除かれたプラスチックはどうなるのか。複合材料のリサイクルにも目を向けたい。
2022年05月16日【プラ新法動向②~東京23区の一括回収~】
港区・千代田区で一括回収先行、今年度より2区開始
コロナでプラ収集量7%増、交付金要件で検討急務に
2022年05月14日【廃プラ固形燃料】
RPFの調達価格が上昇
製紙メーカー中心に広がる
2022年05月14日【OECD世界廃プラ調査】
世界の廃プラ3億5300万㌧、うち40%が包装用
処理の半分は埋め立て、リサイクル率は15.6%に
2022年03月12日【PETボトル 22年上期入札】
遠東石塚が約4割を落札、最高値は-89円/kg
二大飲料メーカーによる代理戦争の様相も
2022年04月30日《容リプラ+製品プラの一括回収》
【渋谷区】7月から区内全域で先行開始
容リ未収集から段階的にエリア拡大【北区】
2022年05月21日 コラム
2000年代前半から持ち去り行為が社会問題として取り上げられるようになった。持ち去りとは、主に自治体が行う資源[...]
2022年05月14日 コラム
公益社団法人全国産業資源循環連合会が発行する月刊誌『INDUST』で、「サンパイ女子募集!」のお知らせに目が留[...]
2022年05月01日 コラム
東北を訪れる機会があった。現地の人と話していると、知床観光船の遭難事故はコロナ禍と地続きだという。つまりこの2[...]
2022年04月22日 コラム
夏季になる前にエアコンを買い替えようと家電量販店に行った。壁一面に展示されたエアコンの室内機は、遠目に見ればど[...]