花王は、プラスチック資源循環促進法に基づく「製造・販売事業者等による自主回収・再資源化事業計画」の認定を2024年3月1日付で取得した。一般消費者からの自主回収による再資源化事業計画の認定は、初めてのケース。東京都内の同社事業所および神奈川県鎌倉市の回収拠点から使用済み詰め替えパックを計1.5t/年回収する予定。和歌山事業場 に持込み、材料リサイクルの用途で使用する。廃掃法の許認可が不要になることで、自社の物流ルートへの切り替え、収集コストの低減を狙う。鎌倉市では2017年から「リサイクリエーション」として取り組んできたもので、全国で協力実施する自治体を増やし、水平展開を模索する。
花王は、2023年にプラスチック包装容器として使用量は9万1千トンに上り、このうち化石由来プラスチック使用量が8万8千トンに上ったという。同社は2023年5月に、プラスチック包装容器2040年「ごみゼロ」、2050年「ごみネガティブ」実現に向けたロードマップを公表。プラスチックの再資源化率も2030年に使用量の50%以上にするという目標を掲げてきた。
これまでも、同社は自治体や企業連携により、全国各地で使用済み詰め替えパックや日用品ボトルの回収・リサイクル実証を実施し、約260拠点で年間約10トン回収している(2023年実績)。
消費者からのプラスチック包装容器の回収は、①地域とのリサイクリエーション、②企業連携、③自治体・企業との連携、④社内リサイクリエーションという大まかに4つのパターンがある。
①は鎌倉市の他、北見市、女川市、石巻市、上勝町との実績がある。②はライオンやJACDSとの取り組みがあり、③は東京都や茨城県、神戸市、薩摩川内市との実績があった。④は国内の各事業所 で花王の従業員が持ち込む方式だ。回収品目も詰め替え容器だけを集めるケースもあれば、ボトルや日用品プラスチック全般まで集めるケースもある。
今回は、①と④の取り組みの一部で、自主回収・再資源化事業計画の認定を取得。鎌倉市は「リサイクリエーション」として2017年から、都内事業所での社内リサイクリエーションは2015年から取り組みを進めてきた。
自主回収・再資源化事業計画の認定について、花王は2022年4月のプラスチック資源循環促進法(プラ新法)施行時から検討してきたが、慎重に委託先を選択することに時間を要し、2023年12月に申請にこぎつけた。花王が認定取得した計画では、年間回収量は1.5トン。その内訳は鎌倉市内から約0.7トン 、花王の都内事業所での回収が約0.8トン と見込む。
…
この記事は有料会員記事です
▼残りの74%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は無料トライアルをご利用ください。
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年10月07日【イオンディライト】飛沫防止パネルで再資源化事業計画認定取得関東のイオングループ企業店舗対象
2024年10月07日【東京23区の家庭ごみ有料化】メディアで取り沙汰されるも、検討これから2030年度末までのプラ一括収集が優先課題に
2024年09月09日【2024年度下期 PETボトル入札結果】上期より35円上昇し、落札単価-84.5円/kgに協栄産業グループが巻き返し、東西格差薄まる
2024年10月07日【環境省・資源循環システム構築に係る小委員会】基本的な方針案と判断基準を含む省令案を提示廃棄物処理業者は再資源化の目標や進捗を公表へ
2024年10月07日 コラム
『東京23区と都が「家庭ゴミ有料化」検討』と、フジテレビ系のFNNプライムオンラインが報じたのが9月16日。そ[...]
2024年09月24日 コラム
近年の新卒就活者数は約45万人。しかし、せっかく多くのエネルギーを費やして就職したのに、入社3年以内に会社を辞[...]
2024年09月17日 コラム
9月も中旬だというのに、この暑さ。冷やした麦茶がいまだとてもおいしい。麦茶をやかんからピッチャーに移しかえなが[...]
2024年09月09日 コラム
「再生材を使った製品は高い」という消費者の理解が進むべきだ。このような理想を掲げ、循環型の仕組みを目指す関係者[...]