紫陽花の青紫色が鮮やかになってきたなぁと思った数日後、東京が梅雨入りした。その日も朝から霧雨。最寄り駅に向かう途中、道端に半開きのビニール傘が放置されていた。傘の国内年間消費量は推計で1億3000万本程度(日本洋傘振興協議会)。そのうちビニール傘(ビニ傘)は、大体の推測で6000~8000万本といわれる。PEなどで作られるこのビニ傘、安価で購入しやすいこともあり、急な雨の時には良く売れて、そして捨てられたり、放置されたりすることも多いと、度々報道されている。ビニ傘が「使い捨て傘」といわれる所以だ。
ビニ傘の大半は輸入品である。そこで日本洋傘振興協議会会員会社のほとんどは生地の傘を製造販売している。同会員のサエラ(東京都)は、壊れにくく、万が一壊れても部材を取り替えられるオールプラスチック傘を販売している。同協議会では、従来にも増して品質の良い傘を作り、長く使ってもらえるようにすることに重きを置きながらも、サステナビリティの観点からの製品のあり方などを検討してきた。しかし、傘業界だけで循環型のリサイクルスキームをつくるのはハードルが高いという。
ビニ傘はものによって材質が異なり、親骨に使われるスチールとプラスチック部分の分別も手間がかかるため、リサイクルしずらい。自治体によって可燃ごみまたは不燃ごみと分別区分も異なっている。傘のシェアリングサービスなど新たな仕組みが生まれてはいるが、年間6000万本以上の使用済みビニ傘の循環はどう進めるべきか。紙ストローを提供するカフェで、アイス珈琲を啜りつつ想う。
2025年05月19日【岐阜県輪之内町】町で回収の容リプラ使った指定ごみ袋を導入へ小規模自治体が挑む地域循環モデルとして注目
2025年05月19日【リサイクルテック ジャパン展示会レポート】再生PETからアクリルまで技術で変える資源循環専門カンファレンスも同時開催、SusPlaなど事例報告
2025年01月14日【プラニック】 ヴェオリアが昨年12月に撤退し、豊田通商が株式承継本格稼働からわずか2年、採算や品質改善でもハードル
2025年02月25日【ELV規則案を改定】 再生材の利用率基準を緩和、開始時期は前倒し欧州のリサイクル業界団体らは修正案に反発
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2025年05月19日 コラム
消費生活センターに時折、こんな質問が寄せられるという。「化学繊維アレルギーがあるため綿100%の天然素材の衣類[...]
2025年05月09日 コラム
今国会では、資源有効利用促進法の一部改正案が審議されている。注目されるのは、「再生材の利用義務化」に関する規定[...]
2025年04月30日 コラム
長いこと焦がれて、数年前のその日、やっとそれを目の当たりにすることが叶った。それとは、世界に3つしかないといわ[...]
2025年04月21日 コラム
先日、長崎県の離島・対馬を初めて訪れた。複雑なリアス式海岸と対馬海流が交わる地理的条件のため、大陸から流れ出た[...]