
8月中旬に5日間、ベトナム視察旅行に出掛けた。製紙・古紙関連の視察先が多かったが、木質ペレット工場も見学したので、またプラジャーナルにおいて紹介したい。木質ペレットの需要は大幅に増加しており、とにかく生産すればするだけ売れると話していた。バイヤーは全て日本と韓国の商社や企業だという。
日本では、2021年10月に経済産業省の資源エネルギー庁が策定した「第6次エネルギー基本計画」で、2050年に火力発電によるCO2排出をゼロにするという脱炭素の長期目標を打ち出した。短期的には2019年度に32%を占める石炭火力の割合を、2030年度には19%に減少させることを目標とする。また2019年度に化石燃料が占める割合76%(LNG=37%、石炭=32%、石油等=7%)を、2030年度には41%程度(LNG20%、石炭19%、石油等2%)に削減する。これに国を挙げて取り組むことを経済界全体としても共通目標に掲げたわけだ。つまり脱化石燃料施策において、バイオマス燃料である安定した品質の木質ペレットは引く手あまたの状況。廃プラ由来のサーマルリサイクルと競合するため、木質チップの動向も目が離せない。
ベトナムの木質ペレット工場の社長は、「生産が追いつかない状況。日本と韓国のメーカーや商社からは、少々高くても安定供給できるように長期契約したいという話が数多くある」と話す。更にオーダーが増えれば、新工場の建設も視野に入れるという。このベトナムの工場で生産する木質ペレットは、品質グレードによって3種類あった。最上級のAグレード、中級のBグレード、低質のCグレード。ちなみに中級のBグレードのものは4600キロカロリーで、長さ30ミリ、直径10ミリほど。日本向けの輸出価格はCIF200ドルだという。現在の日本の段ボール古紙価格(ベトナム向け)がCIF185ドルなので、原料である古紙よりも燃料である木質ペレットの方が高いことに、灼熱の地で驚かされた。
2025年12月01日【中華系リサイクラー4社に聞く】中国の廃プラ輸入禁止を経て、事業方針を転換日本で拓くプラスチックリサイクルの可能性
2025年12月01日【岡田商事】家電由来のMIXプラを月間2,000t受け入れペレット化独自の高度選別技術を磨き、大半を中国へ安定輸出
2025年11月24日【萩原工業】リサイクルプラスチックの粘度を均一化する技術を開発三井化学と連携し、設備の製造・販売を開始
2025年12月01日【廃プラ・再生製品の輸出入動向】アジア輸入規制がもたらす今後の国際循環と対応策
2024年01月26日【シタラ興産】埼玉で一廃・産廃焼却施設に122億円投資2027年に稼働予定、年間1万5000MWの発電も
2025年12月01日 コラム
改正資源有効利用促進法(資源化法)で自主目標と定期報告の対象となるプラスチックは、自動車・家電・容器包装の3品[...]
2025年11月25日 コラム
去る11月6日、(一社)日本RPF工業会が開催する「第9回 安全大会」を取材した。RPF製造工場で起こりがちな[...]
2025年11月03日 コラム
慢性的な人材不足に陥っている現在の日本。業界内で言っても、特に中間処理施設をはじめとするリサイクル企業は、3K[...]
2025年10月27日 コラム
来年度の容リ入札制度の見直し方針が示された。検討会は計2回開かれ、安定枠の廃止や上限価格の適正化など、概ね材料[...]