欧州で先行していた自動車へのプラスチック再生材の利用が日本でも進みそうだ。例えば SUBARUは、2021年度に制定した「環境アクションプラン 2030」の中で、「2030年までに新型車に使用するプラスチックの25%以上をリサイクル素材由来とすることを目指し、研究開発を進めていく」と具体的な目標値を掲げている。自動車1台に使われるプラスチック樹脂の量は約100kg。現在、再生材がバンパーなどに使われているが、一般的に利用率は5%にも満たないとされる。
▼自動車リサイクル法が成立したのが2002年。その3年後より新たな自動車リサイクルシステムの運用が始まった。新車の購入時に1~2万円のリサイクル料金が徴収されるが、自動車の平均寿命は16年とされている。廃棄時にその預託金を使って、リサイクルされるという仕組みだ。同法に基づく関係者の取り組みによって、不法投棄の台数は36分の1にまで激減している。今後、自動車リサイクルは、約9400億円までに積み上がった預託金の一部を活用しつつ、資源循環を本格的に進めていくことが主眼となる。
▼公益財団法人自動車リサイクル促進センターは、2025年度にも自動車メーカー各社から再生材の利用率を把握し、再資源化を促すという。具体的には、 ①エンプラ系の部品をケミカルリサイクルによって化学品原料に替える、②ASRから高度比重選別・光学選別によって、オレフィン樹脂やPS、ABSを取り出す、③ASRからケミカルリサイクルでモノマー化するなどし、化学品原料に戻す、という3つのアプローチだ。ケミカルリサイクルの課題である高い処理コストは、同法による潤沢な預託金と高付加価値の製品特性によって、解決されていくのではないか。
2024年12月02日【CFPグループ】独自開発した油化装置でケミカルリサイクルの商業生産に成功ISCC PLUS認証付き廃プラスチック分解油を供給し、国内2拠点を新設予定
2024年09月09日【2024年度下期 PETボトル入札結果】上期より35円上昇し、落札単価-84.5円/kgに協栄産業グループが巻き返し、東西格差薄まる
2024年12月02日【ケミカルリサイクルの最新動向】新規設備の手法(稼働時期、使用原料、原料調達ルート)と解説
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年12月02日【静岡市】2028年度から一括回収と再商品化を実施へ、事業者を公募
2024年12月02日 コラム
プラスチックの原料となる化学物質には有害性を持つものも少なくない。そこで「化審法」という法律がそのリスクを評価[...]
2024年11月25日 コラム
都内日中の気温が20度を超える暖かさだった10月の日曜日、東京・練馬区で市民祭「練馬まつり」が開かれた。ステー[...]
2024年11月18日 コラム
東大阪市は大阪市の東に隣接した人口48万人の中核都市で、昔から「ものづくり」の街として有名である。市内には約5[...]
2024年10月28日 コラム
10月中旬にマレーシアを訪問した。古着のリユース事業において、マレーシアは今や世界で最も関係者から熱い視線を注[...]