2022年1月21日 PJコラム 

【コラム】

PJコラム

 中国は家庭用ゲーム業界への締め付けを年々強化しており、2016年以降、ゲーム会社の倒産件数は10万社近いと言われている。特に18年からは新たなゲームの使用認可が厳しくなり、19年は2万1千社以上が1年間で倒産した。習近平は、特に18歳以下の未成年に対するゲーム依存や凶暴性、反社会性等の弊害を危惧し、制限するように指示している。中国の大手オンラインゲーム会社は、新規の認可をほぼ諦めており、早速社員を大量解雇する動きが出ている。

 思い返せば中国は産業クラッシャーである。前触れのない法改正や規制、輸入禁止や許可取り消しは当たり前の世界。周知の通り、中国における再生資源物の輸入市場は、非鉄金属を除いて全て崩壊した。廃プラの輸入市場は多い時で3500億円、古紙の輸入市場は8000億円と言われていた。段階的に縮小していった古紙輸入に比べて、廃プラに関しては容赦がなかった。

 17年に583万トンの廃プラを輸入していた中国だが、18年はわずか5万トン、19年以降はゼロだ。これに困ったのが特に輸出量が多かった米国・日本・英国。15年に米国は205万トンの廃プラ輸出量があり、うち中国(香港含む)比率は72%。日本は164万トンで同85%、英国は78万トンで64%。しかし中国が禁輸した19年には米国の廃プラ輸出量は69万トンまで低下し、カナダ(23%)やインド(13%)に振り替え。同様に日本は82万トンに減少し、マレーシア(32%)やベトナム(21%)に、英国は54万トンに減少し、トルコ(29%)や香港(12%)にそれぞれ振り替えている。各国とも輸出量が大幅に減少し、先進国のリサイクル市場まで影響が及んだ形だ。日本でも中国の禁輸と共に、廃プラの扱いを辞める産廃業者も少なくなかった。

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