千葉県の産廃中間処理を手掛ける㈱丸幸のエコ・ファクトリー神々廻の森を取材見学した。同社は本格的なRPF製造事業は2020年からと後発だったが、今回、廃プラのケミカルリサイクル向けの成型機を新たに導入。ガス化原料として月間100~200トンを昭和電工に納入している。また今秋竣工予定のTBMの横須賀プラントにおいてマテリアルリサイクルで再生処理できる原料も受け入れに向けて調整中だ。廃プラのリサイクル手法の選択肢を備えることで、同社は排出事業者の様々なニーズを捉える方針だ。
神々廻(ししば)の森と聞き、同社による造語かと思ったが、千葉県白井市にある地名のことであった。神々が廻るというのは後付けで、将軍の「鹿庭」が由来との説があるようだ。いずれにしても、リサイクルと相性が良さそうな土地にある、同社の産廃中間処理施設に足を運んだ。
同社は創業48年目。もともと1974年にトラック1台のチリ紙交換回収からスタートした。当時は千葉県鎌ヶ谷市で古紙を集めていたので社名を「丸幸紙業」としていた。やがて一般廃棄物の収集運搬許可を得て、廃棄物分野の足がかりとした。1989年に初めての工場を開設し、その後も産廃許可を取得するなどし、扱い品目を徐々に拡大。2001年に「丸幸」に社名変更。事業の軸足を産廃中間処理に置きつつ、不用品回収の「かたづけタイガー」・「おたすけタイガー」といった新たなサービスも打ち出している。
エコ・ファクトリー神々廻の森は、9500平米もの広さがある。以前の工場が手狭となり、2013年に白井市内に移転・開設した。ここで手掛ける主な事業は、①RPF製造、②発泡PSの減容、③飲料容器の選別、④混合プラの破砕・圧縮の4つだ。なお、千葉県印旛郡にある千葉栄工場では、PETボトルの圧縮・梱包も行っており、月間約300トンの扱い量がある。選別されたPETボトルを栄工場へ移送するというわけだ。
現在、主に廃プラ類を原料としたRPF生産量は月間1000トン弱。ただ、このRPFには、サーマルリサイクル向けのバイオマスボイラーで使う固形燃料だけでなく、ケミカルリサイクル向けのガス化プラントで使用する原料の2つの用途が含まれる。サーマル向けとケミカル向けの比率は概ね8~9:1~2。後述するが、2つの用途でスペックなども微妙に異なっている。
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