双日㈱は、南米最大の化学メーカー・ブラスケム社(ブラジル)とバイオマス由来のプラスチック原料の商業プラント3基の建設を計画中だ。このうち1号機プラントについては、2026年度の商業稼働開始に向けて最終投資決定の準備を進めている。現在、デンマークのデモプラントで技術の最終確立を行うと同時に、1号機の建設予定地について検討に入った。技術ライセンサーであるトプソー社(デンマーク)とともに、一般的には石油化学原料から生産されるエチレングリコール(MEG)を植物から生産するプロジェクト。プラント3基が完成すれば、年間70万トンのMEG生産がターゲットとなる。このバイオマスMEGから生産されるプラスチック製品は、従来通りマテリアルリサイクルが可能となり、原料としても製品としても脱炭素社会の実現に貢献することになる。
2022年上期に双日とブラスケムはバイオマス由来のモノエチレングリコール(MEG)とモノプロピレングリコール(MPG)の生産技術開発を目的とした合弁会社「Sustainea bioglycols」(所在地、資本金等詳細は非公開)を設立した。技術ライセンサーであり触媒技術に強みを持つトプソーのデンマークの施設内にデモプラントを有し、Sustainea bioglycolsとトプソーの共同で商業稼働に向けた技術の最終確立を行っているステージのようだ。
石油化学の基礎原料であるエチレンのバイオ化は、一般的にはエタノールからの製造が挙げられるが、トプソー技術の特徴は、エタノールを介さない独自技術を用いることだ。将来的にはサトウキビ、トウモロコシ、小麦、木質系のセルロースなど様々な植物原料に対応することで、各国の地域特性に応じた最適な原料調達体制を目指す。商業生産する1号機プラントの建設地は、バイオマス原料の調達を考慮して、日本ではないものの、第三国での候補地の絞り込みに入っている模様。
…
この記事は有料会員記事です
▼残りの66%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は無料トライアルをご利用ください。
2024年11月05日【天馬】自社工場排出の樹脂団子リサイクルで大臣認定製造・販売事業者自主回収計画策定も視野に
2024年09月09日【2024年度下期 PETボトル入札結果】上期より35円上昇し、落札単価-84.5円/kgに協栄産業グループが巻き返し、東西格差薄まる
2024年11月05日【萩原工業】アルミとの複合プラスチックの分離技術に磨き「サスマ展」で最新の叩解装置と溶融分離装置を展示
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年11月05日【新垣商店 谷川拓磨社長インタビュー】大阪市内で飲料容器の中間処理事業を行う将来的にはPETの輸入事業や無人工場を視野に
2024年10月28日 コラム
10月中旬にマレーシアを訪問した。古着のリユース事業において、マレーシアは今や世界で最も関係者から熱い視線を注[...]
2024年10月15日 コラム
恥ずかしながら10月20日が「リサイクルの日」ということを知らなかった。「ひとまわり(10)、ふたまわり(20[...]
2024年10月07日 コラム
『東京23区と都が「家庭ゴミ有料化」検討』と、フジテレビ系のFNNプライムオンラインが報じたのが9月16日。そ[...]
2024年09月24日 コラム
近年の新卒就活者数は約45万人。しかし、せっかく多くのエネルギーを費やして就職したのに、入社3年以内に会社を辞[...]