2023年9月15日 PJコラム 

【コラム】RPF事業者が抱える焦燥感

PJコラム

 周知のとおり、日本の廃プラリサイクルはサーマルリサイクルが62%を占めており、数量にして510万トンの廃プラが流れている。その中でも、固形燃料RPFによるリサイクルが年間100万トン前後ある。RPFは、2000年初頭に製紙業界が主導し、開発された石炭代替燃料の一つ。バイオマスボイラーで安定的な需要があり、製紙メーカーと一蓮托生で事業を営む産廃処理事業者も多い。商流だけでなく、業界団体である一般社団法人日本RPF工業会の運営によって、その地位も確立されてきたわけだ。

▼だが、RPF事業者の心の中には一抹の不安が芽生えている。2050年のカーボンニュートラルに向けて、将来的に廃プラのサーマルリサイクルは旗色が悪くなる可能性があるからだ。代替燃料はCO2排出削減に繫がっても、脱炭素によるカーボンフリーにはならない。これを乗り越えるには、製紙メーカーがCCS・CCUS(二酸化炭素の貯留・利用)といった追加策を講じることが不可欠だ。しかし、調査レベルで取り組んでいても、こうした環境対策を明確に宣言しているメーカーはない。

▼現在、CO2分離回収コストは、1トンあたり4000円/t-CO2前後とされている。例えば最大手の王子HDはGHGのネット排出量で年間654万トンなので、262億円の追加コストになる。まずは脱石炭を目指し、燃料転換などの環境投資が先にある。内外でCCS・CCUSの設備は続々と立ち上がり、コストは安くなる傾向にあるものの、この追加コストは重たい。しかし、今後はリサイクル手法の弱点を需要家がどう捉えているかによって、廃プラ原料の行き先も大きく変わってくるはずだ。

週間アクセスランキング

PJコラム »

プラスチック関連情報メディアのプラジャーナルでは購読者受付中です。古紙ジャーナルとの併読割引もございます。
Top