2023年9月28日 PJコラム 

【コラム】三洋商事の自由闊達さが生む新ビジネス

PJコラム

 奈良の地で創業した三洋商事とは以前から交流がある。元々はポイント回収の取材を続けているうちに、「奈良で面白いポイント回収をやっている産廃業者がいるよ」と教えて貰ったのがきっかけ。ちなみにポイント回収とは、古紙やPETボトル、その他有価物をスーパーや空き地等で回収し、ポイントを付与して還元するという取り組みだ。PETボトルのポイント回収は日本ではトムラ・ジャパンが先行し2008年頃から開始。同時期に古紙で三重古紙センターやジェネシスが開始した。

▼三洋商事は元々奈良で、電信局からの依頼によって防腐電柱の制作や中古機械の販売業として創業した。電信局との取引実績があることで、その後はNTTやNTTドコモ、そして各社の携帯電話のリサイクルを請け負うようになった。2013年からは前述のように、家庭から排出される様々な資源物の回収を開始して、家庭に眠っている使い終わった携帯電話の掘り起こしを始めた。

▼現社長の河原林氏は、同社のアルバイト出身で、当初は運転手や選別スタッフとして働き、その後営業や管理等を任され、社長に就いた。日本には数万社の産廃業者がいるが、世襲や一族による経営が圧倒的に多い。その理由は、地域に根ざしたローカル商売であることや、様々な利権が絡むこともある。同社は、自由な社風とボトムアップのアイデアを次々と実践していくことが特徴で、近年は鉄道リサイクルに取り組んでいる他、まだまだ多くのアイデアを検討しているという。

週間アクセスランキング

PJコラム »

プラスチック関連情報メディアのプラジャーナルでは購読者受付中です。古紙ジャーナルとの併読割引もございます。
Top