
「再生材を使った製品は高い」という消費者の理解が進むべきだ。このような理想を掲げ、循環型の仕組みを目指す関係者も少なくなかった。だが、再びの廃PETボトル市況の高騰により、「真のサステナビリティ」が試されている。容リの下期入札の結果、再生材とバージン材の価格差は平均して70~80円/kgまで拡大した。仮に年間14万トンのPET樹脂を使用する場合、その半分が再生材だとすると、バージン材を使うより50億円以上のコスト増となる。
▼バージン材価格が円高等の影響で軟化しているにも関わらず、再生材の市況が高騰した背景には、大手リサイクラー2社の競争がある。両者は、飲料用PETのBtoB向けに原料を調達しており、一方は日本におけるBtoBリサイクルの先駆者であり、もう一方はアジア最大のPETレジン供給メーカー。双方とも自負があるだけでなく、装置産業として原料を確保する必要がある。さらに、再生PET樹脂の供給責任も果たさなければならない。
▼各分野で拡がりをみせる「動静脈連携」も、実際の取引が始まると一筋縄ではいかない。メーカー側(動脈)とリサイクラー側(静脈)の思惑が交錯し、予想もしない需給バランスや原料市況が形成されることがあるのだ。特にリサイクラーの生存競争は熾烈化しつつある。飲料メーカーは、今回の廃PETボトルの価格上昇にどう応えるのか。その対応は、プラ全般の再生材の普及に向けた試金石ともなるだろう。
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