今年6月、カンボジアで日本人が運営するエコロギーという会社を訪問した。この会社は主に食用コオロギを養殖して販売する事業を行っている。カンボジアの貧しい農村の人々が、最小限の資金で副業として行うことが出来るのが、食用コオロギの養殖である。コオロギは卵から成虫になるまで45日であり、年に8回育てることが出来る。
▼見学した現地のコオロギ農家は母子でコオロギの養殖を行っていた。1箱3万匹入っているボックスが8個で計24万匹。個体はキロ当り3ドルで販売契約を結んでおり、1匹が0.6gなので1キロ=1700匹で3ドルの計算となる。24万匹を販売すると144ドル、約2万円の収入となる。カンボジアの地方都市での平均月収は100~200ドルほどで、副業の収入としては魅力的だ。カンボジアやタイでは、農村の生活レベルを上げるために国家的にコオロギ養殖を推奨しており、実際に収入増に繋がっている。
▼2013年に国連・食糧農業機関が出した報告書では、昆虫食のSDGsへの貢献を説明し、これまでの嫌悪感やゲテモノ扱いから、エシカル消費として地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動へと転化していくことを推奨している。
▼しかし日本では昨年、コオロギ食のバッシングが全国的に相次いだ。それまでスーパーフードと持ち上げられていたが、学校給食に試験的に導入されたのを機に、反発・批判が拡大し、ネットでは陰謀論まで展開される始末である。カンボジアの農村の貧しい母子が、健気にコオロギを育てている姿を見て、とても気の毒に感じた。
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