環境負荷の大きさから、ファッション業界に対する風当たりが厳しい。日本総研の調査によると、日本国内で年間51万トンの衣類が廃棄されているという。EUは、繊維産業が地球温暖化の4番目の原因になっているとのことから、「ファストファッションはもはや時代遅れ」と批判。今年4月には「持続可能な繊維戦略」を公表し、2030年までにEU域内で販売される繊維製品は、リサイクル可能でリサイクル済み繊維を大幅に使用するなどの方針を掲げた。欧州のトレンド(規制)が世界中に広まれば、中古衣料のリユースやリサイクル繊維の活用がより重視されることになりそうだ。
環境活動家のグレタ・トゥーンベリは、洋服をほとんど買わないとVOGUE誌のインタビューで語っている。「ファストファッションを買うことは、搾取や環境破壊といった有害なプロセスを助長することになる」と、着古したシャツと継ぎはぎだらけのレギンスに身を包む。彼女のライフスタイルは「必要ならば知り合いに借りればいい」という考えだ。実はZ世代(1996〜2010年生まれの世代)の間では今、ファストファッションを越え、古着を格好よく着ることがトレンド。DEPOPというアプリは、単に売り買いするだけでなく、お互いのコーディネートを参照しながら、古着をやり取りする仕組みが人気を集めている。
繊維素材向けの廃プラ需要も盛り上がる。繊維にはステープルとフィラメントの区分があり、前者は「短繊維」でいわば綿状のもの、後者は「長繊維」で1本の糸を紡ぐ過程が要る。フィラメント向けのほうが、異物の少ない廃プラ原料が求められるが、同時に高い付加価値も生み出すため、リサイクルへの強い動機付けにもなる。東レは2020年以降、9億本相当の廃PETボトルを活用し、「&+」というブランドの繊維製品を供給した。JEPLAN(旧日本環境設計)は、「BRING」という仕組みを設け、店頭で回収した後、ポリエステルは衣料品にリサイクル。今後もこうした流れが加速し、繊維向けに高品質の廃プラ需要が高まっていくだろう。
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