プラスチックリサイクルにおいて、マスバランス方式(物質収支方式)という考え方がある。原料から製品への加工を行う際、ある特性をもつ原料を一部の製品群に割り当てるというものだ。マスバランス方式は、カカオ、紙、電力などでも用いられてきた。例えば、原料に再生プラを5%配合したとき、その配合率は5%とみるのが一般的であるが、マスバランス方式では、製品の5%だけ再生プラが100%配合とみなせば、あとの95%は0%と置き換えられるのである。製造メーカーにとって、既存設備を利用しながら高配合の製品を造れるので、環境配慮製品を魅力的にみせることや、物性の劣化を補えたり合理的な価格戦略を取れたりするメリットがある。ただし、数字上の操作であるので、いかに第三者などによる認証で担保するかがポイントだ。
ところで、プラ製の容器や製品を扱う企業が、自らが販売したプラスチックを循環できないか、あれこれ模索している。クローズドリサイクルがいわばブームと化しているのだ。PETボトルを除けば、現実的に多くは水平リサイクルが難しいのだが、再生ペレットを使って関連製品に変えられるかが勝負どころのようだ。しかし、リサイクル業者にとってみれば、クローズドリサイクルは実はあまり面白みのない商売。回収量は少量であり、それだけを選別・加工・保管するにはコストがかかり過ぎるからだ。他の有価プラや再生資源の取引も請け負って、その一部をクローズドでやることで、なんとか採算が合うという。収集事業者やリサイクル業者にとっても、マスバランス方式による委託が求められているのかも知れない。
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年10月21日【鹿島建設・萩原工業・J&T環境】現場分別の廃梱包PE材15%を樹脂繊維製品に建廃プラスチックの高度利用に新たな道筋
2024年10月21日【プラスチックサーキュラーエコノミー推進協会】一般社団法人の設立記念式典を開催材料リサイクルの再商品化事業者25社で
2024年10月16日【丸幸のRPF製造事業】再生可能エネルギーの自家発電&マルチな原料調達でRPFの付加価値向上、安定供給を目指す
2024年10月21日【SuPla(サスプラ)】会員企業が100社超え、一般社団法人に移行へ新制度「SPC認証」のパイロット版、年内にも始動
2024年10月15日 コラム
恥ずかしながら10月20日が「リサイクルの日」ということを知らなかった。「ひとまわり(10)、ふたまわり(20[...]
2024年10月07日 コラム
『東京23区と都が「家庭ゴミ有料化」検討』と、フジテレビ系のFNNプライムオンラインが報じたのが9月16日。そ[...]
2024年09月24日 コラム
近年の新卒就活者数は約45万人。しかし、せっかく多くのエネルギーを費やして就職したのに、入社3年以内に会社を辞[...]
2024年09月17日 コラム
9月も中旬だというのに、この暑さ。冷やした麦茶がいまだとてもおいしい。麦茶をやかんからピッチャーに移しかえなが[...]