2021年11月12日 PJコラム 

コラム

 プラスチックのリサイクル実証実験が花ざかりである。

 消費財メーカーが中心的な役割を担って、消費者に渡ったプラ包装を専用の回収ボックスを商業施設などに置いて回収。集まったものを選別・破砕・洗浄・ペレット化し、再びプラ包装の原料として使おうというものだ。

  PETボトルではボトルtoボトルのリサイクルが実現し、再生ボトルをコンビニで目にするようになった。マテリアルからマテリアルの水平リサイクルは消費者にとって分かりやすく、環境に良いことしていると印象づけるPR効果は大きい。

 しかし、実際にはプラ包装全般での水平リサイクルは課題も多い。課題だらけといっても過言ではない。各企業は社会実装していこうというより、広告宣伝としてのリサイクルの域を超えないのではないか。

 1つはコストが膨らみ過ぎることだ。一カ所の回収拠点から数十キロのものを集めようというのは物流効率が悪い。せめて1度の回収あたり200キロ、300キロは欲しいところだが店舗のバックヤードにそこまでスペースがないことも多い。高コストなサプライチェーンが持続可能ではないのは明らかで、誰がそのコスト負担するのかという問題にも直面する。

  2つ目は、なぜ水平リサイクルでなければならないのか?その方向性は必ずしも絶対ではないはずだ。プラ特有の物性劣化を考慮すると、原料に多用出来るわけではなく、消費者に一度渡ったものは異物混入のリスクも高く、安定性に欠ける。そもそもニーズのない原料を作り出そうとしているのだ。マテリアルリサイクルに囚われ過ぎず、手法は柔軟に選択すべきである。

  3つ目は、既にプラ容器包装は容リ法にもとづき、20年超にわたり、自治体が効率的に収集し、処理される仕組みが築かれてきた。プラ包装を使用する企業は年間約2500億円もの委託費を負担し、容リ協会がリサイクルを代行してきたのである。この容リ法は5年に一度見直しをかける制度でもある。特定事業者が集め方や用途を拡充したいのであらば、このプロセスを活用した見直し議論も期待したい。

 再生原料のリサイクルの原動力となるのは、コストと代替性にある。バージン原料に比べ、安いコストで調達でき、代替えしても同じ性能を保てるか、あるいは近づけられるかがリサイクル継続のカギである。その結果、環境負荷も減らせるのである。各企業が独自にプラ回収の取り組みを始めることは無駄ではないが、ESGブームの中での一時的な株主対策やプラ包装商品を購入する消費者の罪悪感払拭のためであっては続かない。リサイクルの仕組みとして定着させることを目論むべきなのである。

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