2023年3月20日 PJコラム 

【コラム】花粉とマイクロプラスチックの類似性

PJコラム

 3月13日以降、マスク着用が個人の判断に委ねられることになったが、街中や電車の車内、飛行機でもまだまだノーマスクは少数派だ。ある調査では、約9割の方が「シーンに応じてマスク着用を今後も続けたい」と回答しているという。個の判断より周囲との和を重んじる日本人気質からすると、本格的なマスクなし生活が来る日は遠そうだ。マスクに依存するのは、いまや2人に1人が苦しむ花粉症の時期に重なったこともあるだろう。

▼花粉とマイクロプラスチックはよく似ているとの指摘がある。ほとんどの花粉は20~50μm(マイクロメートル=百万分の一メートル)程度だが、一方のマイクロプラスチックは5ミリ以下のものを差すため、可視できるものも多い。共通点を上げるとすれば、①れっきとした役割があり、根絶できない、②難離解性があって、自然界でなかなか分解されないーーといった点。森林ジャーナリストの田中淳夫氏は、花粉症の被害とマイクロプラスチックの危険性を比べたとき、どういう判断が出るか分からないとも指摘する。

▼マイクロプラスチックが直接、アレルギー源になるのかは不明だが、化学物質過敏症という症状は存在する。消臭剤や殺虫剤、塗料などが原因でアレルギー疾患に近い症状を引き起こすようだが、実態が分かっていないところも多い。近年の疫学調査では、人口の約7.5%にあたる約950万人の過敏症対象者がいるとの報告もある。今後はプラスチック製品に含まれる染料や添加剤などを人体がどこまで許容できるのか、解明が進んでいくのだろう。こうした点からも、プラ循環における再生材は、原料の由来を示すトレーサビリティがより重要になってくる。

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