公益財団法人日本容器包装リサイクル協会が実施するリサイクル事業において、2023年下期のPETボトルの落札結果の詳細が発表された。平均落札単価は-42.6円/kgと上期よりさらに17.7円/kg下落した(容リ入札は逆有償が前提なので、有償取引はマイナス表示。便宜上、有価物における高い低いの表現で記す)。価格はピークだった前年下期の3分の1近くまで下がったものの、再生企業別にみるとボトルtoボトル(BtoB)需要が価格を下支えし、落札比率も席巻しつつある。地域別では関東が最高値となり、肉薄していた近畿との価格差が再び開いた。
2023年下期に入札されたPETボトルは、自治体などの指定保管施設787ヵ所に集められた計9万1029トン。前年下期に比べて、指定保管施設は67ヵ所減り、数量は5511トン減っている。落札した再商品化事業者は計34社。落札業者数は前年同期より10社増えたものの、登録業者は44社を数えるので、10社は1トンも落札できなかった。上期で途中辞退したシーピーアールと共和観光も落札量はゼロだった。
23年下期の落札業者のうち、最多の遠東石塚グリーンペットは1社だけで落札量合計の42.4%を落札した。上位3社では65%を占め、上位10社で88%を占めた。1万トン以上を落札したのが2社、1000トン以上が14社あった。年々、落札数量が減っている中で、一部の再商品化事業者による寡占化の傾向は強まっている。
…
この記事は有料会員記事です
▼残りの66%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は無料トライアルをご利用ください。
2024年11月18日【容リ協の登録事業者】2025年度の材料リサイクルの登録事業者は増減なしPETは新規でサーキュラーペット、来期入札で過熱必至か
2024年09月09日【2024年度下期 PETボトル入札結果】上期より35円上昇し、落札単価-84.5円/kgに協栄産業グループが巻き返し、東西格差薄まる
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年01月26日【シタラ興産】埼玉で一廃・産廃焼却施設に122億円投資2027年に稼働予定、年間1万5000MWの発電も
2024年11月18日【英国】2030年のリサイクル目標を大幅に下方修正(69%→55%)法整備の遅れと深刻な不況で、ケミカルリサイクルも遅れ
2024年11月18日 コラム
東大阪市は大阪市の東に隣接した人口48万人の中核都市で、昔から「ものづくり」の街として有名である。市内には約5[...]
2024年10月28日 コラム
10月中旬にマレーシアを訪問した。古着のリユース事業において、マレーシアは今や世界で最も関係者から熱い視線を注[...]
2024年10月15日 コラム
恥ずかしながら10月20日が「リサイクルの日」ということを知らなかった。「ひとまわり(10)、ふたまわり(20[...]
2024年10月07日 コラム
『東京23区と都が「家庭ゴミ有料化」検討』と、フジテレビ系のFNNプライムオンラインが報じたのが9月16日。そ[...]