樹脂のコンパウンド加工および販売事業を手掛ける日ノ出樹脂工業(東京都杉並区、住田嘉久社長)は、使用済み自動車バンパー由来のポリプロピレン(PP)リサイクルスキームの構築を目指す。自動車板金塗装のボデーガレージイケモト(滋賀県東近江市、池元茂社長)などと「バンパーリサイクルを推し進める会」(太田智子代表)を組織し、検討を進めている。このほど大阪公立大学の中谷隼人博士の協力で、バンパー由来の再生PPについて各種物性測定試験を実施し、データを収集、市販のバージンPP(耐衝撃タイプ)に勝る物性があることの確証を得られた。今後はその優れた物性を生かせる用途を提案するべく、さらに検討を進めるとともに、修理工場から排出される使用済み自動車バンパーの効率的な回収と収集体制の構築に取り組む。今後1年以内を目途に事業を本格化したい考えだ。
自動車バンパーは、以前の車種であればガラス繊維が含まれているものなども含め、いろいろな種類があるが、多くはゴム入りのポリプロピレンでつくられている。そもそもバンパーの素材はメーカーから公表されていない。自動車メーカーと樹脂メーカーが共同で研究開発する各社独自の専用の部品であり、市販されることもなく、完全な企業秘密の部分だ。しかし、今回「バンパーリサイクルを推し進める会」の試験により、再生樹脂においてもその質の高さが改めてわかった。
…
この記事は有料会員記事です
▼残りの89%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は無料トライアルをご利用ください。
2024年07月22日【プラ再生材利用の義務化】 中間とりまとめ案がパブコメ中、8月半ばまで行動変容につながる大手企業の自主目標設定に期待
2024年07月22日【プラスチックサーキュラーエコノミー推進協会】材料リサイクルの再商品化事業者22社が立ち上げ入札上限価格の見直しなど、政府へ要望書提出へ
2024年07月22日【SusPla(サスプラ)】再生プラの利用拡大に向け、認証制度創設へトヨタ自動車などの動脈企業も多数入会
2022年12月19日【エビス紙料】3月に愛媛工場開設、3工場でRPFを月間3600トン製造サーマルとマテリアルで資源化、海洋ごみも原料化に
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年07月22日 コラム
今年6月にカンボジアを訪れた。6日間の視察日程で、首都・プノンペンと古都・シェムリアップを訪問し、カンボジアの[...]
2024年07月15日 コラム
プラスチックの再生材利用の義務化はどこまで進むのか。6月末に経済産業相の諮問機関である小委員会の取りまとめ案の[...]
2024年06月24日 コラム
まったく同じ内容であっても、読み書き言葉ではなく、話し言葉で説明して欲しいという一定数のニーズが存在する。活字[...]
2024年06月17日 コラム
週末の恒例行事が家族麻雀となっている。妻が「麻雀をやってみたい」と言ったのをきっかけだ。高校生の息子と中学生の[...]