再資源化事業等高度化法案に関して、5月7日の参議院環境委員会での審議。れいわ新選組の山本太郎参議院議員から参考人として出席した環境法学者である北村教授に、次のような質問が出た。「リサイクルの高度化に向けて、収集から処理、最終処分まで一貫して受注できる『スーパー優良事業者』が必要だと指摘している。実際、日本の静脈産業には中小零細事業者が多い現実の中で、そのようなスーパー優良事業者になりうる潜在的なプレイヤーは十分な数いるのか?また、そのようなスーパー優良事業者を育てていくために、今回の法案や既存の制度に足りないものがあるならば、どのような点か?」
▼廃掃法にもとづく2011年から始まった優良産廃事業者制度の限界と、今回の高度化法に期待されている点を突く、なかなか鋭い質問だった。北村教授は、「最初から最後まで一貫して責任を持てるならば、これは排出業者との関係で一番、安心であることは確か」とスーパー優良事業者の意義を解説。しかし、日本は中小の処理業者がまだまだ多い中で、「かなりの大きな投資、施設、設備人員等が必要」であり、その数は現状「両手で数えらえるぐらい」と見解を述べた。現に株式公開した廃棄物処理業者は近年、10社前後まで増えている。
▼今後の方向は、こうした企業らが「M&A等を通じて体制を強化し、排出事業者と対等に話ができるよう地位を上げて頂くことが一つ」といい、今回の法にそのような事業者を育てていく方策が「インプットされているかは明確ではない」とも指摘した。ただ、「判断の基準となるべき事項(=ガイドラインに相当)」の遵守が義務付けられるのは、特定産業廃棄物処分業者というかなり大きな枠(年間1万トン以上を対象に検討中)。この処分業者に対する「判断の基準」がどう設定されるのか、今後の政省令の具体的な中身がポイントとなってきそうだ。
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