2024年5月20日 PJコラム 

【コラム】民間のプラ拠点回収で自治体のコスト軽減に

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 中国やアジアの国では、古紙・PETボトル・アルミ缶等は売買されるタテバと呼ばれる資源買取所がある。日本にも以前あったが、現在はほぼなくなった。代わりに普及したのが無人回収所。ポイントを付与するところも多く、セブン-イレブンは全国約3800店舗にPETボトル回収機を設置し、PETボトル1本につき0.2円分をポイントで付与する。最近、自宅近くにもこのPETボトル回収機が設置されたので、買い物ついでに持って行っている。

▼4月下旬、静岡県掛川市がテスト的に開始した「掛川モデル」を取材した。カインズ・掛川店のリサイクルステーションで製品プラを回収し、持ってきた市民に1kg=1ポイントを付与する。集められた製品プラを太洋サービスが回収・処理。プラニックが再生プラ原料として再資源化する。このモデルの画期的なところは、市民の持ち込み方式で小売店のポイントがインセンティブとなり、回収から資源化まで全て民間業者が行うので、自治体が収集・中間処理・再資源化コストを負担しないことだ。

▼集団回収は、自治会などの団体が月に数回、地域の拠点に資源物を集め、業者が引き取りに来る。市町村が各団体に助成金を拠出することが多いが、業者から売払金も支払われる。全国で約8割の市町村が集団回収を実施するが、回収した資源物の91%を古紙が占め、プラ類はわずか0.3%に留まる。プラ類が極端に少ないのは、①有価物ではない品種が多い、②嵩が大きく、回収コストが割高、③専ら物ではない、が主な理由。民間によるプラ収集・資源化の取り組みも多様化し、今後はリサイクル率の向上が見込まれる。

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