▼中国が廃プラ輸入の門を閉じる寸前の2018年11月、中国の廃プラ処理施設を数ヵ所訪問した。ちなみに2018年初頭から既に中国はMIXプラの輸入禁止となっており、訪問した時は品質の良い廃プラ(主に産業系の廃プラ)はまだ輸入できる時だった。しかし中国の関係者は既に諦めムードで、今後は新しいビジネスを考えると言っていた。
▼その中で江蘇省に廃プラの商社的なヤードがあった。月間1500トンの廃プラを扱っており、全て日本から輸入したものだ。「日本のものは高く売れるが、それ以外のものは安くしか売れない」と話していた。日本とその他の国では、品質が圧倒的に違うという。その経営者はまだ30代半ばの中国人で、日本語は流暢。数百万円のロレックスを付け、数千万円のランボルギーニで出社していた。絵に描いたようなチャイニーズドリームの具現者だった。
▼彼は日本の大学に留学をして、卒業後は東京の下町の縫製会社で働いていた。中国に帰ってアパレル企業を立ち上げるのが夢だった。しかし中国にいる仲間からこんな話を持ちかけられた。「日本のプラスチックごみを中国に持って行くとものすごく儲かるよ!日本にいるならどんどん送ってよ!」。手探りで廃プラスチックの排出先を探し、それを中国の仲間に送るようになった。すると縫製工場で働くのがバカらしいほどの利益を生むことに気付く。仲間を手伝いながら、やがて彼は独立して中国に工場を建てた。工場と言ってもほとんどが置場だ。簡易選別をして中国のリサイクルペレットメーカーに売った方が儲かる。何回か規制強化や工場の移転を強いられたが、10数年で莫大な利益を積み上げ、2018年をもって彼の「廃プラドリーム」は終わりを告げた。
2025年01月14日【プラニック】 ヴェオリアが昨年12月に撤退し、豊田通商が株式承継本格稼働からわずか2年、採算や品質改善でもハードル
2025年01月14日【積水化学工業】再生材100%の雨水貯留材の販売伸長需要増に対応した高品質の原料確保へ
2024年09月09日【2024年度下期 PETボトル入札結果】上期より35円上昇し、落札単価-84.5円/kgに協栄産業グループが巻き返し、東西格差薄まる
2024年01月26日【シタラ興産】埼玉で一廃・産廃焼却施設に122億円投資2027年に稼働予定、年間1万5000MWの発電も
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年12月27日 コラム
米空軍のフライトジャケットに由来する MA-1 ジャケット。東京・神楽坂で3日間限定のポップアップストアで販売[...]
2024年12月23日 コラム
ひと昔前は、大手流通・小売企業が廃棄物や資源物で収益を得る発想はほとんどなかった。しかし今では、各店舗で出る資[...]
2024年12月09日 コラム
韓国・釜山で開催されたプラスチック条約交渉会議。会場には各国の文化を映し、パナマハットを被る人やインドネシアの[...]
2024年12月02日 コラム
プラスチックの原料となる化学物質には有害性を持つものも少なくない。そこで「化審法」という法律がそのリスクを評価[...]