2022年12月25日 PJコラム 

【コラム】W杯から始めたいごみ減量運動

PJコラム

 熱戦を繰り広げたカタールワールドカップが終わった。PK戦までの死闘を演じた決勝戦は、長いワールドカップの歴史を振り返ってみても、ベストゲームの1つに数えられるだろう。エムバペとメッシという新旧スターの共演・活躍と共に、結果的にはこの15年ほどの間、サッカー界の頂点に立ち続けたメッシのための大会となった。

 ワールドカップで日本の躍進と共に、会場やロッカールームの掃除ぶりが世界中で話題となり、他国の応援団や選手でも真似するところもあった。しかし基本的には、「自分たちが掃除をすると、掃除人たちの仕事を奪ってしまう」という気持ちが強いようで、「仕事を奪うことはやらない」という訳である。只、これは体の良い言い訳にも聞こえる。日本で家庭や企業から排出されるごみの多くは、きちんと分別されて排出されている。分別しているからと言って誰かの仕事を奪っている訳ではない。

 現在、世界中の海洋ごみは1億5千万トンと言われており、このままのペースでいくと、2050年には4億トン弱になる。この問題で脱プラやレジ袋の規制等が話題になっているが、何の事はない。ごみをきちんとごみ箱に捨てる。ごみ箱がなければ持ち帰って捨てる。捨てるときに資源物は分別する。この当り前のことを世界中の人が実践すれば、全てのごみは減少していく。W杯からごみ減量の運動が世界中に拡がれば、日本人冥利に尽きる。

 今回W杯が行われたカタールの人口は280万人で、面積は秋田県よりやや小さい。この小さな国の資本は石油と天然ガスが握っている。石油産出量は世界で第15位の7300万トン、シェアは1.5%。天然ガスの生産量は1700億立米でシェアは15%。輸出量の世界シェアは24%となっており、影響力は大きい。ロシアのウクライナ侵攻により、欧州各国はエネルギー不足に直面しており、カタールのエネルギー供給の存在感が以前よりも増している。現在カタールでは、世界最大の天然ガス田を開発中であり、将来的には輸出シェア40%以上を見込んでいる。欧州各国がカタールに気を使うのも無理がない。

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