2023年4月17日 PJコラム 

【コラム】
ヘルメット着用と循環ルート

PJコラム

 「ディープピンク」、和名で言うと「躑躅(つつじ)色」というのか、派手な色の自転車に乗っている。数年前その自転車を勧めた近所の自転車店の店主が「ヘルメット、かぶろうよ」と声をかけてきた。この4月から自転車に乗る全ての人を対象にヘルメットの着用が「努力義務」となったからだ。努力義務というのがちょっとわかりにくいが、安全のためにはかぶった方がもちろんいい。自転車事故でヘルメットを着用していない場合の致死率は、着用と比較すると約2.3倍も高いという。

▼命にかかわる重要なものなら品質のいいものを選ばねば。自転車ヘルメットの安全性はSGマークが担う。一般財団法人製品安全協会が安全基準に適合する製品に表示を認めたもので、対象品は乳幼児用製品、福祉用具、スポーツ用品、レジャー用品など100品目を超える。最大1億円を支払う賠償制度も備えている。ヘルメットの外表面(シェル)の材質は、 ABS、FRP(繊維強化プラスチック)、 PCなどの高性能樹脂。その内側に衝撃を吸収するライナー(発泡スチロール)が装備されている。SGマーク付き自転車用ヘルメット対応事業者(ブランド)は、順次追加されていくようだが、いまのところ15社である。

▼メーカーの1社である㈱オージーケーカブトがWebサイトで安全性のメカニズムを解説している。走行中に転倒した際、シェルやライナーが壊れることで衝撃を吸収する。外表部のシェルが見た目で損傷がなくとも、ライナー部分が変形、損傷していることがあるというのがポイント。ヘルメット自体を手荒く扱い、地面にたたきつけても、頭を守るセーフティ機能が減少する可能性がある。また紫外線にさらされれば経年劣化もあるだろう。3年程度で買い替えた方がいいそうだ。廃棄するときには、製品プラスチックとして回収を始めた東京・渋谷区や仙台市のように、資源の循環ルートも整備されつつある。

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