小中学生の頃によく学校の先生から言われたのが、「あと20~30年で石油はなくなる」ということだった。1973~74年、1979~80年の二度のオイルショックをリアルタイムで体験した教職者が言うのだから、実際にそうなるだろうと信じていた。しかし現在でも世界の石油埋蔵量は40~50年分と言われている。あれから数十年経っているのに、枯渇どころか埋蔵量が増えている。また当時は、「2000年代からは石油がなくなって車に乗れなくなる。エネルギーも不足する」ということも言われた。これは今起きつつある変化ということでは、ある意味で当を得ているのかもしれない。2020~2035年にかけて世界的に電気自動車への変換期を迎えており、カーボンニュートラルに向けて化石燃料からの脱却期を迎えている。
▼ちなみに石油の埋蔵量表示にはカラクリがある。埋蔵量というのは物理的な埋蔵量ではなく、経済合理性に基づいた埋蔵量である。石油会社にとっては、既に確認されている埋蔵量は在庫ということになるが、在庫水準が高すぎるとその維持管理費がかかって収益を圧迫する。しかし在庫が少ないと欠品による機会損失に繋がる。また安定価格帯をキープする上でも、埋蔵量(在庫量)が40~50年分というのが適正だと考えられているのだろう。
▼今後は、ガソリン車から電気自動車への変換や化石燃料の消費減、脱プラ等によって、石油消費量は減少すると考えていたが、これはあくまで先進国に限られた話。米国エネルギー情報局によると、2050年の石油需要は、20年比で4割増加するという。中国は30年をピークに減少する予想だが、インドは50年に現在の3倍まで増加する予想で、それ以外の新興国も軒並み増加予想。CO2排出量も2割以上増加するという。2050年の石油埋蔵量は予想しがたいが、結果的には現在より更に増えている可能性もある。
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