
公正取引委員会が進めてきた廃PETボトルの実態調査レポートは、当初、8月頃にも発表されるとのことだったが、調査票の回収に時間を要しており、公表は9月以降までずれ込むようだ。廃PETボトルの容リルートにおける入札、飲料メーカーと自治体との提携、事業系PETのクローズドシステムによる引渡しなど、原料調達が過熱してきた中で、それぞれのリサイクル手法において問題点がどのように浮き彫りになるのか、注目される。
▼PETボトルの取引価格は、2022年下期をピークに軟化傾向が続く。今年上期の容リの落札平均単価は約半値まで下落した上、㈱シーピーアール(名古屋市)と共和観光㈱(長野県松本市)の2社が落札分の一部を途中辞退。8~9月の2ヵ月分を他業者に振り替える。容リPETの入札の仕組みは、登録再生事業者が①処理能力、②在庫能力、③再生品の販売枠のうち、もっとも少ない量をその限度まで落札できる。たとえ途中辞退した場合でも、次回はその数量分が削られるだけで入札の参加資格は継続するため、このペナルティをより厳格化すべきとの声も挙がっている。
▼他の再生事業者への公平性の問題もある。途中辞退があった地区から引き取る再生事業者のみ、その調整後の価格の詳細を知ることになる。つまり現時点での廃PETボトルの相場を、振り替え先として声がかかった事業者のみ関知できる。この7月末に下期入札を控えているが、すべての登録再生事業者が途中辞退の詳細を知るのは、容リ協会がWebを通じて公表する8月末頃だ。下期の札入れ価格に影響するため、公平性の観点から公表のタイミングにも配慮すべきではないか。
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