プラスチックリサイクルにおいて、マスバランス方式(物質収支方式)という考え方がある。原料から製品への加工を行う際、ある特性をもつ原料を一部の製品群に割り当てるというものだ。マスバランス方式は、カカオ、紙、電力などでも用いられてきた。例えば、原料に再生プラを5%配合したとき、その配合率は5%とみるのが一般的であるが、マスバランス方式では、製品の5%だけ再生プラが100%配合とみなせば、あとの95%は0%と置き換えられるのである。製造メーカーにとって、既存設備を利用しながら高配合の製品を造れるので、環境配慮製品を魅力的にみせることや、物性の劣化を補えたり合理的な価格戦略を取れたりするメリットがある。ただし、数字上の操作であるので、いかに第三者などによる認証で担保するかがポイントだ。
ところで、プラ製の容器や製品を扱う企業が、自らが販売したプラスチックを循環できないか、あれこれ模索している。クローズドリサイクルがいわばブームと化しているのだ。PETボトルを除けば、現実的に多くは水平リサイクルが難しいのだが、再生ペレットを使って関連製品に変えられるかが勝負どころのようだ。しかし、リサイクル業者にとってみれば、クローズドリサイクルは実はあまり面白みのない商売。回収量は少量であり、それだけを選別・加工・保管するにはコストがかかり過ぎるからだ。他の有価プラや再生資源の取引も請け負って、その一部をクローズドでやることで、なんとか採算が合うという。収集事業者やリサイクル業者にとっても、マスバランス方式による委託が求められているのかも知れない。
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