容リの再商品化事業の運営がまさに綱渡り状態となっている。容リ協が7月半ばに発表したヒアリング結果によると、2024年度の再商品化事業者の処理可能量が73万2千トンであるのに対し、市町村の申込量は71万6千トン。その差は1万6千トンまで逼迫している。年度途中の大量振替となれば、たちまち処理能力が不足する事態が生じる。現に、北海道札幌市から田中石灰工業・旭川プラスチック再生センターで落札していた3千トンは、今年7月から4社に切り替わったが、そのうち1社は最南端のエコポート九州(熊本市)にせざるを得なかった。
▼これほど逼迫したのは再商品化事業の需給双方の理由がある。受け入れ側としては、①日鉄リサイクルの受け入れ大幅減、②再商品化施設の立ち上がりの遅れがある。①は今年度、5万5千トンも減った。②は将来的には計40万トン前後の材料リサイクルの新規能力の計画があるものの、この1、2年がヤマ場だ。ケミカルリサイクルの新規計画も具体化していない。供給側としては、一括回収を実施する自治体数は2023年度=35から、2024年度=87と倍増中。2025年度は申込量次第で、再商品化の可能量を上回ってくる可能性がある。
▼その場合、最終的には容リ協会の入札が不調に終わり、市町村からの受け入れを断ることになる。だが、その前に2007年度から認められるようになった固形燃料RPFによる再商品化のルートの発動という選択肢がある。円滑な再商品化の実施に支障をきたす場合には、制度としてRPFによるサーマルリカバリー(熱回収)も緊急避難的・補完的に認められているのだ。RPF業者は原料調達難に直面しており、慈雨のごとく家庭系プラの受け入れが実現するときが来るのか、今後の行方が注目される。
2025年02月25日【ELV規則案を改定】 再生材の利用率基準を緩和、開始時期は前倒し欧州のリサイクル業界団体らは修正案に反発
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2025年04月16日【2025年4月のPETボトル市況】飲料大手の調達抑制で、事業系PETがツレ安シート向けは70円台維持も、下値探る展開に
2025年03月31日【自工会】再生材PPの目標値を公表、16項目から評価
2025年04月14日【LCCN推進研究会】廃棄物焼却の蒸気を活用、CO2で化学原料合成東京湾圏域等コンビナートでの実現に向けて
2025年04月14日 コラム
環境副大臣の中田宏氏に直接インタビューする機会を得た。氏は、若くして横浜市長として活躍したことで知られるが、廃[...]
2025年03月24日 コラム
我が家の鉢植えの桜もつぼみが膨らみ、春の訪れを感じるこの季節。来月からは新入社員が社会人としての一歩を踏み出す[...]
2025年03月17日 コラム
対馬は九州の玄界灘の韓国寄りに位置する島で、本州に付随する島では佐渡島・奄美大島に次いで3番目に大きく、人口2[...]
2025年03月10日 コラム
3月、奈良県橿原市に誕生した世界最大の無印良品を訪れた。売り場面積は約8,200平方メートルに及び、そのコンセ[...]