2024年12月2日 PJコラム 

【コラム】

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 プラスチックの原料となる化学物質には有害性を持つものも少なくない。そこで「化審法」という法律がそのリスクを評価し、適切な管理を行うことを定めている。特に第一種特定化学物に該当する35種は、製造・輸入に許可が要り、特定用途に使用も限るなど、厳しい規制が敷かれている。施行は1974年と古いが、何度か大きな法改正も経てきた。最近も2017年に合理的な化学物質の審査制度を取り入れるといった改正がなされたばかりだ。

▼再生材に含まれる化学物質の安全性はどう担保していくのか。これには化学メーカーや製造メーカーらが連携し、CMP(次世代製品含有化学物質情報・資源循環プラットフォーム)と呼ばれる仕組みをまさに構築中だ。再生材がどういう化学物質で構成されているか、またそれがPIRなのかPCRなのか、サプライチェーンの中に資源循環に関する情報も乗せていくという。早ければ、2026年から大規模実装や本格的な運用を開始する予定となっている。

▼しかし、既に市場に出回っている製品も多い。例えば自動車の平均使用年数を考えると、16、17年前に製造されたものを再生原料として使うことになる。過去に製造された自動車では、ある特定の車種のどの部品に、どういった化学製品が使われていたかの情報が乏しい。再生材として再び自動車材料に使われたとき、事後的に付着したケースも含めて、完全にリスクを排除できないようだ。化審法では、製品回収の措置命令といった厳しい罰則もある。資源循環が絵にかいた餅となりかねず、改めて状況に対応した法改正が必要では?との声も上がっている。

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