都内日中の気温が20度を超える暖かさだった10月の日曜日、東京・練馬区で市民祭「練馬まつり」が開かれた。ステージパフォーマンスなどのほか、飲食や物販などブース出展が約200団体・商店・企業に上るビッグイベントと聞き、どんな催しなのかと訪れてみると、周辺の通りを歩くのも大変な賑わい。その通行をさらに滞らせている人だかりの先にあったのは、1台の清掃車(パッカー車)だった。
▼多くの子どもと親や大人たちの視線を集めていたそのパッカー車は、何とスケルトン仕様。スライドシリンダー、リフトシリンダーが動く様子がわかるほか、荷箱に大きな窓がはめ込まれ、ごみの入っていく様子がわかる。回転板操作を投入口下のバーでも行えること、圧縮板の力が6000キロあることなどが子どもたちにもわかる言葉で説明されるたび、「へえー」、「すごーい」と声を出していたのは、こどもよりも大人のほう。一際大きな歓声が上がったのは、普段街中では決して見ることができない「排出」の場面だった。説明員の方が「大きい音がするので、苦手な人は耳をふさいで」、「危ないので一歩後ろに下がって」と安全のための注意をすると、見ている子どもも大人も緊張と期待感がより高まる雰囲気に。重さ約1トンもあるというテールゲートが上がり始めると、すぐに皆が「おー!」。排出板が中のごみ(デモ用)を押し出すと「わあー!」。
▼同パッカー車は区内で行われる環境学習やイベントなどで活用されており、夏休み期間を除けば、週2、3回も出動するという。区民にごみの排出や資源分別について関心を持ってもらえる重要なアイテムとなっている。当日、デモの後は撮影タイム。作業服を着て運転席に座れるとあって、すぐに長い行列となっていた。
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