リコーは、ハイケム(東京都港区、高潮社長)と共同で、リコーの超臨界二酸化炭素(CO2)を用いた可塑化重合技術により、高分子量PLA(ポリ乳酸)を連続プロセスによって量産化する技術開発を進めている。ハイケム東京研究所(千葉県柏市)の素材研究支所への実証実験装置の設置を間もなく終え、年内にもプロジェクトの第一段階である重量平均分子量30万以上の高分子量PLAを製造できることの確認が得られそうだ。その後、年明け半年から1年を目途に、同高分子量PLAの市場価値検証を行う。リコーが描くのはPLA100%の製品を連続プロセスで製造できること。機械的強度や成形加工性における溶融特性の改善など、加工する際の弱点を補うために石油由来の添加剤を使うことなく、PLAを高品質化し量産化、上市できるのか。生分解性バイオプラスチックの新たな可能性に期待が高まる。
リコーは2015年まで高分子量PLA製造の開発を行っており、技術検証用実験装置では原理確認ができた。しかし、当時は事業性の目途が立たずに研究開発はペンディングとなっていた。だが、プラスチック資源循環促進法の施行など、プラスチック使用に対する社会の関心は大きく変わったことを受け、超臨界CO2をハンドリングする技術を持つリコーは、再び重量平均分子量30万以上の高分子量PLA量産化技術開発に挑むことを決めた。
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