公益財団法人日本容器包装リサイクル協会が実施するリサイクル事業で、2024年度(令和6年度)上期のPETボトルの落札結果の詳細が発表された。半期毎の入札であるため、公表の時期が他の3品目よりも早い。平均落札単価は-49.5円/kgと上期よりさらに6.9円/kg上がった(容リ入札は逆有償が前提なので、有償取引はマイナス表示となる。便宜上、有価物の有償価格とみなし、高低の表現で記す)。独自ルートへの移行で、年々落札数量が減る一方で、新規のBtoB設備の稼働により、特定の事業者への寡占化が強まりつつある。特に遠東石塚グリーンペットの姫路工場が初年度で3万8千トンを落札するとともに、西日本の落札単価を押し上げた。
2024年上期に入札されたPETボトルは、自治体などの指定保管施設711ヵ所に集められた計10万2108トン。前年上期に比べて、指定保管施設は86ヵ所減、数量にして1万318トンも減った。その多くは容リルートから外れ、独自ルートへの移行が加速したためである。
入札の登録業者は42社。新たに登録業者に加わったのが、遠東石塚グリーンペットの姫路工場。また登録から外れたのが、エコマテリアルの埼玉工場(埼玉県児玉郡神川町)と、UR中部の小牧工場(愛知県小牧市)だ。落札できた再商品化事業者は計33社なので、9社は1トンも落札できなかった。
落札業者のうち、遠東石塚グリーンペットは1社だけでなんと6万4514トンも落札した。全体の63.2%を占めている。前年同期に比べ3万4686トン増(116.3%増)だった。工場別でみた内訳は、東京工場で2万8568トン、姫路工場で3万5946トン。姫路工場での落札分がそのまま増加分になっている。
…
この記事は有料会員記事です
▼残りの75%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は無料トライアルをご利用ください。
2024年04月22日【容リプラ・製品プラ】一括回収が89自治体まで増えるも、落札量は微減再商品化計画への移行や容リルートからの離脱で
2024年04月22日【プラスチック汚染対策条約】第4回会合(INC-4)がカナダ・オタワで開催生産削減で合意できるか?日本の主張にも注目
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年04月22日【サムズ】使用済み紙おむつリサイクル普及拡大目指す栗田工業との協業とさらなる研究開発推進
2024年04月22日【イワフチ】容リ法施行前の1995年からPETフレークの生産を開始九州におけるPETボトルの扱いシェアは6~8%「容リ法によるPETボトルの役割は終わったのではないか」(岩渕社長)
2024年04月22日 コラム
紳士服・スーツ販売「洋服の青山」の青山商事が牡蠣の貝殻を使った素材「SEA WOOL(シーウール)」のスーツを[...]
2024年04月15日 コラム
ファーストペンギンという言葉がある。常に集団で行動するペンギンの中で、天敵がいるかもしれない海に向かって、真っ[...]
2024年04月08日 コラム
紅麹を含むサプリメントが健康被害を引き起こし、騒動となっている。この「機能性表示食品」というのは、2015年に[...]
2024年03月25日 コラム
先日、直富商事(本社・長野市)が新設した第三工場を取材した。混合廃棄物の中間処理施設で、この分野では日本で初め[...]