
素材産業でリサイクル材が積極的に使われるようになったのはいつ頃からなのか。製紙産業では1960年代から古紙の回収量が増え始めた。また、鉄スクラップも電炉メーカーが本格的に設備投資を始めたのが、やはり1960年代だ。1970年代には古紙再生促進センター、日本鉄リサイクル工業会がそれぞれ立ち上がった。その再生の歩みは60~70年ほどにもなる。社歴100年超えの古紙問屋や鉄スクラップ業者が多数あることも鑑みると、再生資源としての歴史は長い。
▼一方、石油化学メーカーには、再生プラスチックを原料として使う商慣習が根付かなかった。その要因は、「バージン材の破格の安さ」と「プラスチックや製品の高機能化・複合材化」にある。再生プラスチックは処理や物流のコストが嵩み、コスト面でバージン材の優位性が覆ることはなかった。また、高機能化・複合材化こそがプラスチックの本質であり、その開発スピードはますます加速している。一部でモノマテリアル化が進んでも、進化に逆行する流れは基本的にはありえないだろう。
▼プラスチックの再生利用には、サプライチェーンの最上流にある石油化学メーカーにリサイクルの蓄積が乏しかった。現在、認証制度やトレーサビリティ、ブランディングといった信頼性の向上によって付加価値につなげる試みもあるが、どこまで状況を打破できるか。リサイクラ―側に用途開発を託すのも荷が重く、再生利用の経験を蓄積するため、動静脈が連携して失われた60~70年を取り戻すにも、相応の時間を要するだろう。
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