5月11日から富山・金沢で開かれるG7教育大臣会合に向けた地域の清掃活動、小中学校などで実施する環境教育の一環として再生ごみ袋が使われている。富山市にこの再生ごみ袋を寄贈したのが、㈱富山環境整備(富山市)だ。容リルート由来のプラを使った再生ごみ袋を白井グループ㈱(東京都足立区)と大阪和田化学工業㈱(大阪府大阪市)で共同開発したもの。同社は将来的に家庭から出た容リプラをリサイクルしたごみ袋を、事業者向けに再生ごみ袋として普及させるだけでなく、再び同じ自治体で有料化指定のごみ袋として採用されることも目指している。
再生プラスチックのペレットは強度が弱く、パレットのような厚さのある硬質系の製品向けに使い、強度を保つという考えが常識だった。軟質系プラの用途でしかも袋のような薄さが求められる製品向けに使われることはほとんどなかった。
富山環境整備では毎年約3万トンの容リプラの中間処理とペレット化を手掛ける。同社によるマテリアルリサイクルの用途は物流用パレットなどの硬質系プラが中心だったが、2年前ほどから容リプラの新たな用途として再生ごみ袋の可能性を探っていた。
ある企業に容リプラを5%配合した袋(残る95%はバージン樹脂)を依頼してみたところ、意外にも製造できることが分かり、商品化を目指してさらに開発を進めることになった。
その後、再生ごみ袋の製造メーカーとして協力を仰いだのが大阪和田化学工業。同社は既に廃プラのストレッチフィルムを100%使った再生ごみ袋を製造していた。富山環境整備のビジョンに共感し、使用する樹脂の比率や配合を変えながら、再生プラのごみ袋の製法を二人三脚で開発してきた。
現時点で容リプラ100%の再生ごみ袋の生産は難しいが、配合率30%までは製造可能なことを確認している。樹脂として使用するのは容リ由来のPE(ポリエチレン)リッチ品。容リプラが100トンあれば、このPEリッチ品が約22~23トンの抽出できるという。
…
この記事は有料会員記事です
▼残りの64%を読むには、会員登録が必要です▼
この記事は有料サービスをご契約の方がご覧になれます。
契約されている方は、下記からログインを、
契約されていない方は無料トライアルをご利用ください。
2024年09月09日【2024年度下期 PETボトル入札結果】上期より35円上昇し、落札単価-84.5円/kgに協栄産業グループが巻き返し、東西格差薄まる
2024年09月09日【環境省・資源循環システム構築に係る小委員会】再資源化事業等高度化法の政省令・告示に向けた検討開始報告義務、廃プラは年間1500トン以上の産廃業者を対象に
2023年01月23日【東京23区】全区でプラスチック脱焼却へ、プラ新法後押し 一括回収のモデル実施、残す3区でも検討進む
2024年01月26日【シタラ興産】埼玉で一廃・産廃焼却施設に122億円投資2027年に稼働予定、年間1万5000MWの発電も
2024年03月04日【2024年度上期 PETボトル入札結果】前年度下期より7円/kg上昇、-49.5円/kgに回復遠東石塚が6割強落札、西高東低の価格体系に
2024年09月09日 コラム
「再生材を使った製品は高い」という消費者の理解が進むべきだ。このような理想を掲げ、循環型の仕組みを目指す関係者[...]
2024年09月02日 コラム
今年6月、カンボジアで日本人が運営するエコロギーという会社を訪問した。この会社は主に食用コオロギを養殖して販売[...]
2024年08月26日 コラム
板橋区は2022年8月から図書館や児童館の一部、商店街等、区内40カ所以上に回収BOXを設置して、使用済み歯ブ[...]
2024年08月05日 コラム
容リの再商品化事業の運営がまさに綱渡り状態となっている。容リ協が7月半ばに発表したヒアリング結果によると、20[...]